スイス戦解説~プレス通用せず

前半、果敢に攻め込む大迫(左から2人目)(8日、スイス・ルガノで)=三浦邦彦撮影

激しいプレスは強豪スイスに通用するのか。W杯初戦でぶつかるコロンビアを想定し、守備をテーマに据えた試金石で、日本は全く歯が立たなかった。

慣れた4バックで臨み、1トップの大迫や本田らがボールを奪いにかかった。だが相手のパス回しに追いつけない。迫ってもかわされ、ロングパスで展開されて的を絞れなかった。

腰を痛めて40分に退いた大迫は「僕が一人で追うけど、後ろは下がっていく感じ。すごくきつかった」という。高い位置で奪えないから速攻もさえない。効果的だったのは15分頃、本田、大迫とつないで左の宇佐美が攻め込んだ場面くらいだ。

「前に(パスを)欲しいところで横に出されるなどして、速攻にいけなかった」と本田は言い、長友は「ボールを取った時に誰も(DFの)裏に走っていない」。選手の思惑もばらついた。

5月の国内合宿から守備に時間を割き、選手たちは頻繁に話し合った。「連係は深まっている」という多くの声は、しかし甘い認識だった。3バックの併用や対話で埋められるほど、強豪との差は小さくない。

「すごくいい雰囲気で心配はない」と語っていた長友も、「全てにおいて質で劣っていた。このままではW杯で勝てない」。残された時間はわずか。光明といえば、危機感が高まったことだろう。(藤基泰寛)

後半、激しく競り合う酒井宏(上)(8日、スイス・ルガノで)=三浦邦彦撮影

◆酒井宏「体動いた」 乾も30分プレー

乏しいながらもプラス材料を探すなら、酒井宏と乾の復帰だろう。ともに故障で心配されていたが、後半途中から約30分間プレーした。

酒井宏はマルセイユ(仏)で今年、右でん部や左膝を痛め、昨年11月以来の代表戦。82分、日本のCKからカウンターを受けた場面は、懸命に戻ったもののFWシャキリにクロスを上げられ、2失点目につながった。「85%くらいは(相手のプレーを)規制したけど、100%止めないと」と反省しつつ、「久々の試合でも体は動いた」と感触は良いようだ。

右太ももを痛め、5月下旬の国内合宿で別メニュー調整を続けた乾は、慣れた左MFでプレー。「右で作ってから逆サイドに振ってもらってフリーになれればと思ったが、(中央の攻めに)固執している」とチームの課題を挙げた。

ともに最終選考の5月30日、ガーナ戦に出場しないままW杯メンバー入り。西野監督の信頼の厚い2人が、ここから本領を発揮するか。(青柳庸介)

後半、果敢に攻める乾(8日、スイス・ルガノで)=稲垣政則撮影

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