日本はこう戦え「コロンビア戦、勝ち点1が最低限」井原正巳・元代表主将

 サッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会のグループリーグH組、日本―コロンビアは19日午後9時(日本時間)から、サランスクで行われる。ヨミウリ・オンライン(YOL)で、この試合の速報解説者を務める元日本代表キャプテンの井原正巳氏(現・J2アビスパ福岡監督)は「最低でも勝ち点1が、日本のグループリーグ(GL)突破の条件」と指摘する。(聞き手=読売新聞メディア局編集部・込山駿)

 

戦術的な幅を広げて臨む「最も大切な一戦」

6月17日、カザンでの日本代表練習で、本田(左)と話す西野監督=稲垣政則撮影

大会直前の監督交代で時間がない中、チームを引き継いだ西野朗監督としてはできることを最大限にやった。ガーナ戦、スイス戦、パラグアイ戦は、そんな3試合だったと思う。

W杯初戦を想定したメンバーで2試合を戦い、最後のパラグアイ戦で出番の少なかった選手をテストした。スイス戦までは厳しい結果に終わったけれども、大事なのはあくまでW杯本大会だ。パラグアイ戦の勝利で、チームの雰囲気は大きく変わったはず。先発出場のボーダーライン上にいる選手たちが実力をよくアピールし、戦術的な幅が広がったのも好材料だ。

コロンビアとの初戦は、GLを勝ち抜くうえで最も大切な一戦となる。選手をどう組み合わせて先発させるのがいいか。西野監督とコーチ陣は試合まで、分析と戦況の想定で寝る時間もないだろう。

本田圭佑と香川真司、トップ下の先発がどちらになるかが話題になっている。香川が結果を出したのは確かだが、相手はW杯に出ないパラグアイだ。本田がトップ下に入ったのはW杯出場国のスイス戦で、レベルが違う。練習での調子も見なければ、どちらが適格か判断するのは難しい。

 

日本のキーマンは吉田と長谷部

中盤のライバル選手たちと並んで調整する長谷部(右)。中央は山口、左は柴崎(6月15日、ロシア・カザンで)=稲垣政則撮影

日本のキーマンを挙げるなら、守備ではまず吉田麻也だ。相手の強力な攻めをしのぐ時間も長くなると覚悟しなくてはならないコロンビア戦で、彼にはディフェンスラインを引き締めてほしい。中盤では、やはり長谷部誠だ。若手の台頭で、彼にも先発を外れる可能性は出てきたのかもしれない。しかし、キャプテンでW杯出場3回目でもある長谷部は、ある意味で試合に出ていてもいなくても、チームにおける役割は変わらない。チームをまとめ、一つになって戦うために、長谷部の力は欠かせない。

それにしても、20年前のW杯フランス大会当時と、日本代表の状況は大きく変わった。あの時の初戦はアルゼンチンが相手で、いいゲームはできたと思うけれども、エースFWのバティストゥータに決められて0―1で負けた。振り返れば、私たちはW杯に出られただけで満足していた。

初戦の相手が「スター選手を擁する南米の強豪」というくくりをするなら、コロンビアと対戦する今回と共通点があるかもしれない。だが、今や日本がW杯に出るのは当たり前で、GL突破が最低限というところまで要求が上がっている。その実現には、コロンビアにはもちろん勝ちたいし、最低でも引き分けで勝ち点1を取っておくことが、条件になるだろう。(談)

プロフィル 井原 正巳

いはら・まさみ 元日本代表主将、現J2福岡監督。1967年9月18日生まれ、滋賀県出身。守山高から筑波大に進み、3年時の88年に日本代表デビューした。日本の守備の要として長く活躍し、紙一重でW杯出場を逃した93年の「ドーハの悲劇」を経験。悲願のW杯初出場を果たした98年フランス大会ではキャプテンを務めた。「アジアの壁」と称賛されたDFで、国際試合122試合出場、5得点。Jリーグでは横浜M、磐田、浦和でプレーした。引退後は指導者となり、2015年から福岡を指揮している。

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