【リポート】日本どう戦う?~ポーランド対セネガル戦で見えたこと~

1か月に及ぶワールドカップ(W杯)の熱闘が続いている。晴れの本大会にコマを進めた強豪国や注目国の試合ぶりを、海外サッカーの豊富な取材経験を持つライターの石川聡さんが現地からリポートする。

6月20日 グループH組

ポーランド 1-2 セネガル

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日本の初戦勝利の後に行われたグループH組のもう1試合は、2002年日韓大会以来4大会ぶり2度目の出場となるセネガルが、強豪ポーランドを破る好スタートを切った。37分に相手のオウンゴールで先制すると、60分にはFWニャンが追加点。ポーランドの反撃を86分のMFクリホビアクの1点に抑えて逃げ切った。5か国が参加しているアフリカ勢の今大会初勝利ともなった。

2、3戦目で対戦する日本にとって脅威となるセネガルのFWマネと、ポーランドのFWレバンドフスキ両エースの対決に注目が集まった。スピードで勝負するスタイルのマネに対し、多彩な得点の形を持つレバンドフスキ。ともに期待されたゴールはなかったが、2選手ともキャプテンとしてチームの勝利を目指し戦った。レバンドフスキはセネガルDFのクリバリ、サネという屈強なセンターバックを向こうに回して、ポストプレーやドリブル突破を試みるなど奮闘した。

予測不可能なプレーで相手をかき回すマネ(セネガル)(ロイター)

より頭脳的だったのはセネガルのマネだった。ストライカーというよりは司令塔のプレーに徹し、味方を生かすことを心掛けた。セネガルの先制点も、マネが4人の相手選手を前にして軽く右にはたいたボールを走り込んだMFゲイがシュート、それがポーランドDFのオウンゴールを誘うという展開だった。

マネはイングランド・プレミアリーグ名門のリバプールに所属し、大活躍。今季は欧州チャンピオンズリーグ決勝進出にも貢献した。そんな彼をシセ監督は、「他の選手と比べることができない類いまれな選手。予想不可能なプレーで、誰も彼を止めることはできない」と絶賛する。さらに「スター選手になり、リーダーともなった」と成長ぶりをたたえる。マネはそうしたステータスを、うまくセネガルのために生かしているように見えた。

そのマネだけではない。セネガルはとてつもない選手を送り込んできた。20歳のFWサルだ。大会登録では身長175センチだが、所属するレンヌ(フランス)の公式サイトでは185センチとなっている。右サイドで圧倒的なスピードを発揮し、相手が何人いようがぐいぐい加速してドリブルで突き進んでくる姿はダイナミックだった。まだプレーは粗削りだが、置き去りにされたらたまらない。第2戦で戦う日本にとって、出場すれば要注意の選手だろう。

セネガルは、マネだけではない。若きウインガー、サルのスピードにも要注意だ(ロイター)

セネガルはスピード、身体の強さ、跳躍力など、サハラ砂漠以南のアフリカ勢に特有の身体能力の高さを存分に見せてくれた。普段はなかなかじかに触れることのできない彼らのプレーや迫力を、ポーランドベンチのすぐ後ろという、ピッチ至近の記者席で堪能できた。日本は、こうした個の力への対応が重要になる。「デュエル」(ボール争奪の激しさ)に負けたら、相手の思うつぼだ。

レバンドフスキ(ポーランド、右)のポストプレーは日本の脅威となりそうだ(ロイター)

日本が第3戦で対戦するポーランドは、セネガル選手の身体能力に悩まされた。それでも、左右からクロスが入るようになった終盤は得点の予感が生まれ、返した1点もFKからのヘディングシュートだった。ナバウカ監督が「私にとっては現時点で世界最高の背番号9(センターフォワード)」と称賛するレバンドフスキは沈黙したものの、彼に球が収まれば決定機につながるだろう。やはり絶対的エースへのマークと共に、パスの供給源を断つ努力が不可欠となりそうだ。

プロフィル  石川 聡

いしかわ・あきら 1956年生まれ。大学卒業後にサッカー専門誌編集部で海外サッカーを担当。その後、トヨタカップ、日本代表戦などの大会プログラム編集、執筆に携わる。W杯は1982年スペイン大会から続けて取材し、今回が10回目。

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