遅いけど勝負強い アフリカ勢キラー本田、執念のシューズでもう一肌

コロンビア戦で、相手エースのロドリゲスと競り合う本田圭佑

ワールドカップ(W杯)で得点をアシストするのは、これで3大会連続3度目だ。3ゴールという実績も誇り、これで日本代表の計6得点に絡んでいる。19日の日本―コロンビア。本田圭佑は、入魂のコーナーキック(CK)でチームの勝利に一役買った。

1-1で迎えた後半、先制PKを決めた香川真司との途中交代でピッチに登場。その約4分後、73分の左CKだ。短い助走から、左足を振り抜いた。高速のボールを、ゴール前の空中戦に競り勝った大迫勇也の頭にドンピシャリで合わせ、鮮やかな決勝ゴールを生み出した。それまでの日本のCKやフリーキック(FK)は右足キッカーの柴崎岳が蹴っていたから、球筋の違いでコロンビアの守備を惑わす効果もあっただろう。

試合後は、価値あるプレーができた時ほど、喜びを抑えた談話を出すのが本田の流儀だ。「結果を出すことにこだわって、今まで準備してきた。まず一つ、しっかりと決勝点に絡む仕事ができて、そこに関しては非常にうれしく思っている」。大迫は「練習通りの形。良い質のボールをゴール前に入れてくれた圭佑さんには、感謝しかない」と、ベテランに最敬礼した。

金色のリベンジCK

W杯ロシア大会で本田が履くシューズの同モデル(ミズノ提供)

CKを蹴ったサッカーシューズには、リベンジへの執念がこめられていた。

今大会、本田が履いている赤いシューズには、「べろ」の部分に小さくメーカーのロゴマークが入っている。この商品の通常モデルだと色は白だが、本田モデルは本人の希望で金色だ。

4年前のW杯ブラジル大会で、本田は金と黒の2色を使ったシューズを履いた。代表の仲間ともども、自信満々で臨んだ大会だったが、白星なしのグループリーグ敗退に終わった。特にコロンビアとの3戦目は1-4の惨敗で自信を粉々に打ち砕かれた。だから、本田はブラジル大会後、ずっとシューズに金色をあしらってきた。コロンビアと再び顔を合わせることになった今大会の初戦前、こんなコメントをメーカー経由で発表していた。

「負けた時の悔しさを忘れないという意味で、ロゴをずっとゴールドにしていただいていた。ロシア大会で前回の雪辱をしてきます」

本田が初めてW杯に出た2010年南アフリカ大会前から、本田と二人三脚でシューズの開発を続けてきたスポーツ用品大手・ミズノの担当者は、19日のコロンビア戦を自宅でテレビ観戦したという。「決勝点が決まった瞬間、思わず絶叫してしまった。CKやFKなどキックの感触と、シューズのフィット感にこだわり、所属クラブのあったメキシコでも開発テストに協力してくれた本田さんの思いに触れてきただけに、素直にうれしかった」。深い喜びの輪を周囲に広げたCKでもあった。

コロンビア戦のプレーを見る限り、現在の本田は、スピード(判断の早さを含む)の面で相手にも味方選手にも見劣りする。大ピンチを招きかねないバックパスのミスもあった。

ただ、そんな有り様にもかかわらず、キックの技術で埋め合わせ、きっちりと得点に絡んでみせる大舞台での勝負強さは特筆ものだ。W杯通算3得点3アシストという記録も、日本選手史上最多であり、今後も簡単には出現しそうになく、やはり貴重な存在と言うほかにない。

いざ、セネガル戦へ

今大会の日本の次戦は、24日24時(日本時間)キックオフのセネガル戦。南アフリカ大会ではカメルーン、ブラジル大会ではコートジボワール相手にゴールを決めた日本きっての「アフリカ勢キラー」でもある本田が、また決定的な仕事をやってのける可能性は十分にある。

(メディア局編集部・込山駿)

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