西野Jが成功~そもそもオフサイドトラップって?

セネガルと引き分けた24日のグループリーグ第2戦で、日本のオフサイドトラップが鮮やかに成功する場面があった。「完璧!」「きれい!」とツイッターなどで称賛の声が飛び交い、話題となっている。そもそも、このオフサイドトラップとは、どんな戦術なのか。

日本がセネガルを相手に決めたオフサイドトラップのイメージ

サッカーのルールには、オフサイドという反則がある。攻撃側チームの競技者が守備側チームのフィールド内で待ち伏せすることを防ぐのが目的だ。守備側のゴールキーパーも含めゴール側から2人目の選手のいる地点を基準に、そこから両サイドに延長した想定上の線を「オフサイドライン」と呼び、攻撃側の選手がこの想定ラインより前でボールを待ち伏せすると反則になる。

具体的には、味方がボールを蹴った瞬間にパスを受ける選手がオフサイドラインを超えている状態のことだ。試合中、タッチラインに沿って小旗を持った副審が右に左に走っているが、彼らはオフサイドかどうかの判断をして主審に知らせるために、刻々と動くオフサイドラインに合わせて行ったり来たりしているわけだ。

原則としてオフサイドポジションにいること自体は反則とはならない。ボールへの積極的な関与がないと判断されればオフサイドにならないし、スローインやゴールキックなどで、ボールを受けることもオフサイドにはならない。

◆相手を「オフサイド」の「トラップ(罠)」にかける

この反則を犯すよう守備側が誘いをかけることもある。オフサイドトラップとは、守備側の選手がタイミングよく一斉に前方に上がって、攻撃側選手がオフサイドポジションになるように仕掛ける戦術のことだ。24日の試合では、1-1で迎えた前半終了間際、セネガルの選手が左サイドからペナルティエリア内に向けてフリーキックを蹴ると、一列になった日本の7~8人の選手がするすると敵陣側に向けて上がり、セネガル選手たちをオフサイドポジションに置き去りにした。絶妙のタイミングで日本が相手を罠(トラップ)にはめた瞬間だった。

ただし、オフサイドトラップという戦術は両刃の剣でもある。タイミングを誤れば、最前線の相手選手にフリーに近い状態でボールを持たせてしまうことになるからだ。そこでは、選手一人ひとりの深い戦術理解と、チームとしての一糸乱れぬ意思統一が不可欠となる。

オフサイドトラップで思い出されるのが2002年の日韓大会。日本代表のフィリップ・トルシエ監督は、相手選手との1対1に弱いという日本の弱点を補うための守備強化の対策として、「フラット・スリー」という戦術を用いた。横一線に並んだ3人のディフェンダー(3バック)が高いラインを保ってゾーンで守り、ラインの上げ下げによるオフサイドトラップと高い位置からのプレスで攻撃のリズムを作った。「フラット・スリー」は当時の流行語に、そして大きな武器となり、日本は決勝トーナメント進出を果たした。

今回のセネガル戦後、くだんのプレーについて聞かれた長谷部誠主将は「ロシアに入ってからやろうとしていたこと。初戦はちょっとやめたけれど、監督はその時もやってほしかったらしく、2試合目はやれと(言われた)。結局、相手との駆け引きなので」と話していた。大会後半、西野ジャパンの大きな武器となるのだろうか。

西野朗監督とクライフ、三杉淳の「オフサイドトラップ相関図」

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