西野監督、腹くくる…長谷部送り込み指示徹底

 岡崎(手前)と抱き合って喜ぶ西野監督(28日、ロシア・ボルゴグラードで)=三浦邦彦撮影
岡崎(手前)と抱き合って喜ぶ西野監督(28日、ロシア・ボルゴグラードで)=三浦邦彦撮影

敗戦の笛から2分ほど過ぎ、ピッチで選手をねぎらっていた西野監督に、スタッフが走り寄った。他会場の結果に救われ、日本の16強入りが決定。西野監督は右手で小さくガッツポーズし、ほっとした表情で主将のMF長谷部誠(フランクフルト)らと抱き合った。

59分にFKから失点し、同点にできないまま残り10分を切った。西野監督は腹をくくり、選手たちに指示を出した。「このまま(0―1)でキープ」。負けている状況にもかかわらず、攻撃を止め、自陣でパスを回して時間を使うように、という異例の内容。この日は控えに回した長谷部を82分にピッチに送り込んで徹底させる周到ぶりだった。

セネガルとのフェアプレーポイントの差を維持するため、不用意な反則をしないようにとも選手たちに伝えた。ただし、コロンビアにリードを許していたセネガルが引き分けに持ち込めば、日本は16強入りを逃す。

それを覚悟で「他力に頼る」という判断。攻撃的な采配を見せてきた西野監督にとって、「納得がいかない、不本意な選択」でもあった。時間稼ぎの間、選手たちはボルゴグラードまで駆けつけた日本人サポーターのブーイングを浴びた。

4月の就任時に目標とした16強入りを果たしたものの、その采配は波紋を広げそう。西野監督は「W杯にはこういう戦いがあっていいと、初めて感じた。グループリーグを突破する究極の選択だったかもしれない」と、疲れ切った顔で振り返った。(青柳庸介)

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