広告W杯「優勝」は中国、試合で目立つ漢字広告


中国南部・広東省東莞市の偉光集団の工場でW杯関連商品の出荷準備に追われる工員(22日、角谷志保美撮影)

中国南部・広東省東莞市の偉光集団の工場でW杯関連商品の出荷準備に追われる工員(22日、角谷志保美撮影)

【広州=角谷志保美、北京=鎌田秀男】ロシアで開催中のサッカー・ワールドカップ(W杯)で、中国企業の広告支出総額が世界1位となるなど、中国が商業面で存在感を見せている。代表チームは4大会連続でW杯出場を逃しており、国民の思いは複雑だ。

広東省東莞では、国際サッカー連盟(FIFA)から製造販売権を取得した偉光集団の工場が、優勝トロフィーのレプリカなど海外に輸出される公式記念品の量産体制に入っていた。金メッキのトロフィーを磨く易会碧さん(42)は「残業続きでテレビ観戦の余裕もない」という。大会の公式球なども「メイド・イン・チャイナ」で、「世界の工場」の面目躍如の観がある。

ロシアの各スタジアムでは漢字の広告が目立つ。FIFAと企業が結ぶパートナー契約のうち、最も格が高い「FIFAパートナー」7社に、巨大不動産企業「大連万達集団」が中国企業として初めて入った。

大会を支援する「FIFAワールドカップスポンサー」5社にも、家電大手「海信集団(ハイセンス)」、乳製品大手「蒙牛」、スマートフォン大手「vivo」の3社が入った。

英調査会社ゼニスによると、今回のW杯期間中に中国企業が投じる広告費は計8億3500万ドル(約900億円)と、米国企業の2倍以上に上る。

中国プロリーグの有力チームは高額な年俸を投じて欧米などのトップ選手を呼び込み、近年のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)では上位の常連だ。中国メディアによると、今回のW杯でもブラジルやアルゼンチンなどからの「助っ人」9人が選手登録され、中国リーグとして「史上最多」を記録した。

サッカー好きで知られる
習近平(シージンピン)
国家主席は、競技人口の拡大など「サッカー強国」の国策を掲げる。北京紙・新京報は、初出場で旋風を巻き起こした人口30万人強のアイスランドの団結心やサッカー強化戦略を「学ぶべきだ」と強調した。

W杯は、2026年大会では出場枠が48チームに拡大される。アジアの出場枠も増加する見通しだが、共産党機関紙・人民日報は、8年後に向けたアジア予選突破への楽観論を「まだ早い」と戒めた。

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