終盤の日本ボール回し、BBC「W杯を汚した」


ポーランド戦の後半、パスを回す日本。時間稼ぎのプレーにブーイングが飛んだ(28日、ロシア・ボルゴグラードで)=時事

ポーランド戦の後半、パスを回す日本。時間稼ぎのプレーにブーイングが飛んだ(28日、ロシア・ボルゴグラードで)=時事

サッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会で、日本代表はグループリーグH組を2位で通過し、2大会ぶりの16強進出を果たした。ポーランド戦の終盤に見せたパスを回して「攻めずに負ける」戦術を、海外メディアが批判的に報じる一方、日本の識者からは理解を示す意見が相次いだ。

28日深夜(日本時間)のほぼ同時刻に始まった日本―ポーランド、セネガル―コロンビアの2試合。「引き分け以上」で16強が決まる日本とセネガルだったが、59分に日本、74分にセネガルが失点し、両国が2位通過を争う展開となった。

ともに「0―1」のまま終われば、イエローカード数の差で日本が2位となる状況で、82分、MF長谷部誠選手(34)が伝令役を担って投入されると、日本は攻めずに自陣でのボール回しを開始した。

こうした戦術に、海外メディアからは批判が相次いだ。開催国・ロシアのスポーツ紙「スポルト・エクスプレス」(電子版)は見出しで「日本の恥だ」と非難。英BBCは「不可解な結末でW杯を汚した」と報じた。英有力紙タイムズは「消極的な作戦で日本はうまくいった」とし、日本サポーターからもブーイングを浴びたことにも触れた。

ただ、米CBSテレビは「ずるく見えても、ルールに従って日本は決勝トーナメントに進んだ。ルールをどう考えるかは、それぞれの人次第だ」と一定の理解を示した。

日本人サポーターの間でも「不完全燃焼」「もやもやする」といった声が聞かれたが、識者や関係者からは、西野朗(あきら)監督(63)の采配を評価する意見が目立った。

元日本代表の解説者、都並敏史さん(56)は「終盤の時間稼ぎは基本的な戦術の一つで、世界でもよく見かける。何としても1勝して帰りたいポーランドも消極的になり、珍しい光景となった」と分析。「もっとうまく時間稼ぎする方法もあるが、今の日本のレベルではあれが精いっぱい。あの状況で積極的に攻めろというのは奇麗事だ」と話した。

日本サッカー協会3級審判員の資格を持つ落語家、春風亭正朝(しょうちょう)さん(65)も「西野監督の大バクチはすごい。『ドーハの悲劇』の時に持っていなかった『ずるさ』を身に付けたという意味で、日本の成長を感じた」と好意的に語った。

会場で観戦した日本サッカー協会の田嶋幸三会長(60)は報道陣に「肝が据わっていないとできないこと。(警告数の差は)ずっとフェアに戦うことを徹底してきたからだ」と話した。

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