初採用のVAR、判定変更14件…PK付与7件


「ビデオ・アシスタントレフェリー(VAR)」でプレーを確認する主審=AP

「ビデオ・アシスタントレフェリー(VAR)」でプレーを確認する主審=AP

グループリーグの48試合が終わったのを受けて国際サッカー連盟(FIFA)の審判関係者が29日、記者会見をモスクワ市内で行い、今大会で初めて採用された、映像を使ってプレーを検証する判定補助システム「ビデオ・アシスタントレフェリー」(VAR)などについて見解を表明した。

出席したFIFA審判委員会のコリーナ・チェアマンは、VARによって、計335件(1試合平均約6・98件)の事象がチェック対象となり、17件で映像の見直しを実施し、うち14件で判定が変更されたことを明らかにした。この中には、VARによって与えられたPKが7件あるが、逆に主審はPKとしたものの、見直しの結果、取り消された例も2件あった。

今大会ではPK数(失敗も含む)が24に上り、既に過去最多の18を超えている。

VARは、重大な誤審を防ぐため〈1〉得点〈2〉PK〈3〉一発退場〈4〉カードを出す対象選手の間違い――を判断する場合にのみ、適用される。コリーナ氏は「ここまでは非常にうまくいっている」と高い評価を下した。

記者会見では、結果的に日本の16強入りに大きな影響を与えた28日のセネガル―コロンビア戦で、セネガルのPKが取り消された場面が音声入りで紹介された。

前半、セネガルのマネがペナルティーエリア内でタックルを受けて倒れ、主審はPKを与えたが、VARは映像を確認し、「自分には(タックルは)ボールに行っており、ペナルティーではないように思う」と主審に連絡。これを受けて主審も自らピッチサイドで映像を見て、取り消した。

コリーナ氏は、335件のうち、VARがなくても主審の判定のうち95%が正しいものだったが、VARによる変更で、99・3%にまで上がったといい、「極めて完璧に近い数字だが、VARが完璧を意味するものではない」とした。

VARの導入で、より正確な判断が可能になったことは間違いないが、選手や監督の中には戸惑う声もある。大会は負けたら終わりの決勝トーナメントに移り、一つの判定の重みはさらに増す。VARを巡る議論は一層、白熱しそうだ。

(岡田浩幸、川島健司)

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