「主役」は19歳エムバペ…速さとパワーで魅了

 前半、タリアフィコ(左)を振り切ってドリブル突破するエムバペ〈10〉。この後、ファウルを受けてPKを獲得した=三浦邦彦撮影
前半、タリアフィコ(左)を振り切ってドリブル突破するエムバペ〈10〉。この後、ファウルを受けてPKを獲得した=三浦邦彦撮影

決勝トーナメントの幕開けを飾った壮絶な打ち合い。その主役は、アルゼンチンのメッシではなく、同じ背番号10をフランスでつける19歳のアタッカー、エムバペだった。

まず11分、PK獲得で観衆の度肝を抜いた。自陣から単独のドリブルで仕掛け、あっという間に3人を置き去りに。最後にロホが阻みにくると、その背後にボールを出し、ぐっと加速。たまらず手を出したロホと交錯しながら倒れ、ファウルの笛が鳴った。

PKはグリーズマンに譲ったが、同じように広いスペースを快足で突き進むシーンは前半、もう一度。そして後半は、違う武器で、アルゼンチンを沈めた。

2―2で迎えた64分だった。左クロスから生まれたゴール前の混戦で、球を拾うや、すかさず左のスペースに持ち出し、左足で突き刺した。スペースを見つける嗅覚、狭い空間でも相手を引きはがす爆発力、そして利き足ではない左のパワー。19歳の能力が詰まったゴールだった。

そして4分後には、味方が鮮やかにつなげたカウンターを、きっちり仕上げるゴール。1958年にブラジルのペレが記録して以来となる10歳代の1試合2得点に、「ペレは別格としても、そこに加われたのは、うれしい」とはにかんだ。

フランス1部リーグのモナコで頭角を現し、昨年夏、パリ・サンジェルマンに大型補強でネイマール(ブラジル)らとともに移籍した新鋭。「W杯は最高の選手たちが集まる。自分にどんなことができるのか、能力を示すには、これ以上の舞台はない」。世界の視線を独り占めできる<怪童>が現れた。

(青柳庸介)

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