大声援に負けない日本の笛、5割強の試合で使用


モルテンの「バルキーン」(佐藤隆治さん提供)

モルテンの「バルキーン」(佐藤隆治さん提供)

サッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会で健闘している日本代表は選手だけではない。主審が試合で吹く笛でも、日本製が活躍している。

広島市のスポーツ用品メーカー「モルテン」が開発した笛「バルキーン」。国際サッカー連盟(FIFA)には笛の規定はなく、審判が自由に選ぶことができる。モルテンが試合映像で確認したところ、6月28日朝(日本時間)までに行われた44試合のうち5割強の試合で主審が使用したという。

サッカーの笛には反則時などに素早くプレーを止められるよう、吹いてから音が出るまでの時間が短く、音にも「警告」の意味を持たせた鋭さが求められる。モルテンは、何種類もの試作品を実際にスタジアムで吹いたり、国際試合で主審を務めた西村雄一さん(46)の助言を得たりして、2009年に完成させた。

上下二つの共鳴管から出る音は4オクターブの音域を持ち、大歓声の中でも選手の耳に届くキレや太さが特徴。翌10年の南アフリカ大会では観客が会場で吹き鳴らした現地の楽器「ブブゼラ」の大音響にも負けない笛として高い評価を得た。以来、多くの国の主審が使うようになったという。

ロシア大会の審判に選ばれた佐藤隆治さん(41)も愛用者の一人。「大きなスタジアムでも、存在感のある音質と音量を奏でてくれる」と信頼を寄せる。

現在の開発担当者の藤川伸矢さん(26)は「どの笛にも負けないと自負している。日本代表と同じように世界で活躍してくれてうれしい」と話している。

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