意外と分がいい日本代表! 過去のベルギー戦を振り返る

W杯日韓大会のベルギー戦で、鈴木隆行がつま先で決めたゴール(2002年6月4日、埼玉スタジアムで)

ワールドカップ(W杯)ロシア大会の決勝トーナメント1回戦で、日本は初の8強入りを目指してベルギーと対戦する。ベルギーは現在、世界ランキング3位の強豪だが、両チームの通算5戦の対戦成績をみると、日本が2勝2分け1敗と勝ち越している。西野ジャパンは、相性の良さを生かすことができるだろうか。過去の対戦のうち、主な3試合を振り返ってみる。(読売新聞メディア局編集部・込山駿)

 

2002年6月4日 △2-2

W杯で名勝負 鈴木がつま先でゴール

ベルギーの2人にマークされながらボールをキープする鈴木隆行

W杯日韓大会のグループリーグ初戦。2度目のW杯出場だった日本は、初めての勝ち点を、この試合で手にした。中田英寿らを中心に「弱小国」から脱皮しつつあった時期の日本が演じた、記念碑的な名勝負だ。

青いユニホームを着たサポーターの熱気にあふれた埼玉スタジアムで、トルシエ監督率いる日本は、57分に先制を許したものの、わずか2分後に試合を振り出しに戻すたくましさをみせた。小野伸二が自陣から相手ゴール前へ蹴り込んだロングパスに、猛然と走り込んだのは鈴木隆行。右足をいっぱいに伸ばしてボールに飛びつき、つま先で同点ゴールを押し込んだ。

勢いに乗った日本は67分、稲本潤一の見事なドリブルシュートで勝ち越した。終盤、守備の要だった森岡隆三の負傷交代後に追いつかれ、白星は逃した。しかし、この勝ち点1を足がかりに、日本は続く2試合で連勝し、グループリーグを首位通過した。主将のウィルモッツがオーバーヘッドキックで先制点を決めるなど欧州の強豪らしさを発揮したベルギーも、決勝トーナメント進出を果たしている。

 

2013年11月19日 ○3-2

本田、岡崎が決めた ザックJ逆転勝ち

鮮やかなチーム3点目を決めた岡崎(左)が、2点目を決めた本田と喜び合う

両チームとも、約7か月後のW杯ブラジル大会への出場権を手にしていた。大舞台を見据え、ベルギーの首都ブリュッセルで組まれた強化試合は、アウェーの日本が鮮やかな逆転勝利を収めている。

日本は15分、ミスから失点。しかし、ザッケローニ監督の率いたチームはこの頃、点の取り合いで強さを発揮した。37分、酒井宏樹のクロスを柿谷曜一朗が頭で合わせて追いつく。後半は攻勢を強め、53分に本田圭佑が右足で勝ち越しゴールをたたき込んだ。特にザック・ジャパンらしい息の合った連係から生まれたのが、63分の追加点だ。長谷部誠のパスを受けた柿谷がワンタッチで相手守備陣の背後に浮き球を送ると、走り込んだ岡崎慎司がネットを揺らした。この後は、ベルギーの反撃をコーナーキックからの1点でしのいだ。

ベルギーは02年日韓大会の後、2大会続けてW杯出場権を逃した。だがその間に、白人中心だった代表チームは、中東やアフリカ系のルーツを持つ選手も多い構成へと変容し、強さを取り戻す。13年11月の日本戦こそホームで敗れたが、14年W杯は8強まで勝ち進んだ。対照的に日本は、順調に白星を積み重ねた大会前の強化試合結果とは裏腹に、グループリーグ敗退に終わっている。

 

2017年11月14日 ●0-1

善戦のハリルJにルカク弾さく裂

豪快なヘディングでベルギーのルカクが決勝点をたたき込む

今回のW杯準備として、両チームがベルギーのブルージュで顔を合わせた強化試合だ。日本の先発には、大迫勇也、原口元気、吉田麻也、川島永嗣らが名を連ね、ベルギーもルカク、デブルイネといった主力のスター選手たちを先発させている。この一戦の経験者を、両チームとも今回の対決でも多数ピッチに送り出す見通しで、手の内を知った同士の攻防となりそうだ。

ハリルホジッチ前監督の率いた日本は、W杯出場権を勝ち取ったアジア最終予選後、強化試合での戦績がふるわず、それが今春の監督交代劇へとつながっていく。そんな中にあって、すでにW杯本大会の優勝候補との呼び声も高かった相手と競り合ったベルギー戦は、比較的いいサッカーができた試合の一つだ。中盤でプレスをかける戦術が機能した前半は、主導権を取った時間帯もあった。

ただ、72分に決勝点を失った場面は、ものの見事に攻略された。シャドリにドリブルで中盤を切り裂かれ、守備の要である吉田までもが簡単に抜かれ、丁寧なラストパスをフリーのルカクにたたき込まれている。

今大会のベルギーは、4得点のルカクを筆頭に他選手も好調で、チーム状態は約8か月前よりもずっといい。日本も西野朗監督の下、W杯本大会で復調してきたが、まずはハードな守備を最後まで徹底することが、打倒ベルギーの前提となるだろう。

 

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