延長目前、無情の結末~初の8強ならず

強豪相手に、日本は2―0とした。安心できるほどの差ではないにもかかわらず、心に隙が生じやすい数字のため〈最も危険なリード〉と言われる状況で、残りは約40分。時間が進むにつれて集中力を研ぎ澄ましていったベルギーに対し、プレーの精度を欠いた日本。世界ランキング3位と61位の間には、確かな違いがあった。

後半ロスタイム、ベルギーのシャドリ〈22〉が決勝ゴールを決める(GK川島)=稲垣政則撮影

序盤から押されながらも前線から、大迫らがプレスをかけ、ミスを誘って対抗した。48分、速攻から原口が蹴り込んで先制し、4分後には香川との連係から乾が強烈な無回転のシュートを決めた。格上を倒そうとする奮闘は実った。

しかし、そこで「みんながベスト8(進出)の夢を見てしまった」と長友。相手の裏を取る動きが減った攻撃は単調になり、ミスが増えた。ベルギーは65分、身長1メートル94のフェライニと1メートル87のシャドリを投入し、チームの持てる高さと強さを総動員してゴールに迫る。その迫力に長友は「怖さを感じた」。不運な形で1点を返され、74分には長谷部のマークが上からつぶされるようにしてフェライニにヘディングシュートを決められて同点。終了間際、GKからのカウンターを受けて、「夢」は散った。

23人のうち6割以上の15人が海外組となり、大舞台での国際経験値は間違いなく増していた。本番2か月前に監督交代を断行されたチームは、それを最大限に生かして3度目の16強入りを果たした。しかし、その先にはまだ届かない。

吉田は「精神的なもろさが出た。それが経験(不足)からくるのか、自信(のなさ)からくるのかはわからない。どう試合を運ぶのか、そこがまったく足りなかった」。約40分間での3失点は、日本の現在地、世界トップレベルとの差そのものだった。(岡田浩幸)

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