ベルギー「とっておきの秘策」ブラジルを惑わす

 31分、チーム2点目となるミドルシュートを決めたデブルイネ〈7〉=ロイター
31分、チーム2点目となるミドルシュートを決めたデブルイネ〈7〉=ロイター

試合が始まった途端、ブラジルの選手はさぞ驚いたことだろう。対峙(たいじ)するベルギーの最前線には、中盤からFWにパスを供給するはずのデブルイネ。知将マルティネス監督が、とっておきの秘策を用意してきた。

デブルイネが前の中央、センターフォワードのルカクが右、E・アザールが左に入り、流動的に動き回った。これが、的中した。増えた攻めの起点がチーム全体の重心を押し上げた。狙いが形になったのは31分の2点目。日本を沈めた相手CKからの高速カウンターを再び発動し、ルカクがドリブルで前に運ぶ。右に流れてパスを引き出したデブルイネが、ゴール左に正確なシュートを突き刺した。

策はこれだけではない。1メートル94のフェライニを先発させ、セットプレーで重圧をかけた。13分にCKから生まれた先制のオウンゴールは、居並ぶ巨漢の圧力が相手のミスを誘発した。3人を並べていた最終ラインは、中盤右のムニエが守備時に下がる変則的な4バックを採用。ブラジルはエースのネイマール、攻撃的なマルセロがいる左サイドから攻めてくる。彼らの前をふさぎ、裏をルカクが狙うことでこのサイドの攻防を制し、リズムを狂わせた。

「相手はW杯5度優勝のブラジル。戦術で優位に立つ必要があった。リスクはあったが、うまくいった」とマルティネス監督。デブルイネは「勝つための戦術。チームのためならどこでもやる」と力を込めた。

4強入りは名手シーフォを擁した1986年大会以来で、「こんなチャンスは人生でそうそう巡ってこない。つかみたい」とデブルイネ。指揮官の思惑を世界的なタレントが忠実に体現し、初の頂点を視界に捉えた。(岡田浩幸)

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